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2012年3月20日に、ホテルフロラシオン青山にて第2回ステップアップミーティングが開催されたので、ご報告致します。

 
 

咬合崩壊を伴った慢性歯周炎患者に対して歯牙移植を行い対応した症例:片山明彦先生

本症例発表では、上顎臼歯部の両側欠損、21、22、23の欠損、また下顎は欠損の放置により病的歯牙移動を起こしているような難症例であった。患者サイドの制限も多く、インプラント治療のトラウマからインプラントを使えない。さらに強い嘔吐反射により部分義歯を使用できない。そんな中で、通常の診査項目とセファロ分析も行った上で、専門医と一緒に治療計画を立案し、適切なタイミングで歯牙移植も行いながらフルマウスリコンストラクションを行っていた。アンテリアガイダンスの面で心配であったと述べていたが、プロビジョナルレストレーションでの再評価が適切であったので7年以上も何もトラブルがなくメンテナンスを行えているのだと思った。多少の資料不足もあったが、先生の臨床への真摯な取り組みがみられる症例発表であった。
質疑応答では、歯牙移植の実際や、「歯牙が駄目になった時に最小の侵襲で再治療介入を行えるように」などのフレンドリーアドバイスもあり、非常に勉強になった。

ステップアップ委員 加部聡一
 

SJCDで学んだエッセンスを用いて、機能と顔貌の回復を図った1症例:上妻和幸先生

多数歯欠損による上下のすれ違い咬合となったケースに、既製アタッチメントを用いたテレスコープデンチャーによる欠損補綴を行った症例であった.
インプラント補綴が流行りの現在の欠損補綴の中で、テレスコープデンチャーの発表を見る事が出来たのは、とても新鮮であったし、患者の身体的または心理的にインプラント治療が出来ないケースには、クラスプデンチャーよりも、このテレスコープデンチャーがとても有効的であると思います。技工的には、ポーセレンワーク、ミリングワーク、
デンチャーワークとすべての技工操作が組み込まれており、製作者の苦労が窺えました。
今後の術後経過を是非見てみたいと思う症例でした。

ステップアップ委員 小平雅彦

 

審美領域におけるマルチプルインプラント修復治療のマネージメントについて:林丈裕先生

前歯部審美領域におけるインプラント治療において周囲組織のコントロールは非常に重要な物になって来ている事は周知の事と思う。今回、林先生が発表されているケースではインプラント埋入における前処置から埋入深度や埋入ポジションを計画的かつ確実に行い、プロビジョナルレストレーションにてヒーリング期間を持ち、周囲組織との調和をはかった症例であった。またインプラントブリッジのポンティック部において意図的に残根させスリーピングさせる事で周囲歯周組織の保存をはかりファイナルを審美的に回復させていた。
さすがに経験も知識も豊富な林先生の症例の数々を見て、その完成度には驚かされる物があった。今後も私たち若手ドクターを引っ張って行く存在でいて欲しいと思う。

ステップアップ委員 栗原一雄
 

MIを考慮した包括的歯科治療におけるCT.CAD/CAM.TADsの役割:武川泰久先生

現在の日本においては、欧米で普及しているインターディシプリナリーアプローチを実践するには問題も多いことから、マルチディスプリナリーアプローチにより治療介入することが適していることを説明された上で、その考えのもと、2つの症例についてのプレゼンテーションが行われた。両症例とも不正咬合を伴う咬合再構築のケースで、矯正治療を治療計画に組み込むことにより、山アの分類のclassificationをシンプル化することが可能となり、よりMIを考慮した治療を実践できることを強調された。ケースにおいては一貫して演者の臨床に対する真摯な姿勢が感じられ、矯正、インプラント、補綴に対するご自身の考え方が示されていた。発表後は、TADsの利点欠点や治療遂行上の問題点などについて活発なディスカッションが行われ、あらゆる層の参加者にとっても参考になるものとなった。発表された1ケースにおいては、残念ながら現在Finalに至っていない状態であったため、今後機会があれば是非治療のGoalを示していただきたいと感じた。

ステップアップ委員 西山純加
 

多くの先生方にご参加して頂き、ありがとうございました。

今回、ご都合が付かなかった会員の先生方も、次回ステップアップミーティングにご参加頂ければ幸いです。

 
 
前回ステップアップミーティングの様子はこちら
東京都渋谷区渋谷2-1-12東京セントラル宮益坂上4F
TEL/FAX:03-3400-3482