咬合崩壊を伴った慢性歯周炎患者に対して歯牙移植を行い対応した症例:片山明彦先生
本症例発表では、上顎臼歯部の両側欠損、21、22、23の欠損、また下顎は欠損の放置により病的歯牙移動を起こしているような難症例であった。患者サイドの制限も多く、インプラント治療のトラウマからインプラントを使えない。さらに強い嘔吐反射により部分義歯を使用できない。そんな中で、通常の診査項目とセファロ分析も行った上で、専門医と一緒に治療計画を立案し、適切なタイミングで歯牙移植も行いながらフルマウスリコンストラクションを行っていた。アンテリアガイダンスの面で心配であったと述べていたが、プロビジョナルレストレーションでの再評価が適切であったので7年以上も何もトラブルがなくメンテナンスを行えているのだと思った。多少の資料不足もあったが、先生の臨床への真摯な取り組みがみられる症例発表であった。
質疑応答では、歯牙移植の実際や、「歯牙が駄目になった時に最小の侵襲で再治療介入を行えるように」などのフレンドリーアドバイスもあり、非常に勉強になった。 |