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2009年度 東京SJCD第2回例会のご案内
 

まだ残暑きびしい折ですが会員の皆様方いかがお過ごしでしょうか。
今回の第2回東京SJCD例会では、第1回の山ア長郎先生・鈴木真名先生に続き、東京SJCD顧問の小濱忠一先生にご講演いただきます。 そして、恒例の午後の会員によるケースプレゼンテーションでは、来年の2010年7月18・19日に仙台で開催される第3回SJCD合同例会の東京代表の選考会を兼ねて行います。
公募の結果、多くの方のお申込みがありましたので、第2回例会と3月に行われる第3回例会の2回に分けて行うこととなりました。今年の東京SJCDの例会は外来講師の講演はなく、すべてが東京SJCDの会員による講演・ケースプレゼンテーションです。 この機会に皆様とともに充実したディスカッションを行えれば幸いです。会員の皆様方奮ってご参加ください。

 

日時 : 2009年9月27日(日)10:00〜17:30  受付開始 9:30
会場 : 都市センターホテル/コスモスホール3F
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-4-1  TEL 03(3265)8211
時間 : 10:00〜17:30  受付開始 9:30


-インサービストレーニング- 
福島県いわき市 小濱歯科医院   小濱 忠一 先生
『術後結果から学んだ治療概念と戦略 』

−ケースプレゼンテーション(仙台合同例会東京代表選考会1)−

・東京都大田区 よしだ歯科クリニック  吉田 拓志 先生
『臼歯部咬合崩壊を伴った慢性歯周炎患者の一症例 』

・東京都中央区 デンタルクリニックアレーズ銀座  中村 茂 先生
『審美的改善を行った上顎両側側切歯欠損症例』
A case report of a maxillary lateral incisors loss syndrome that aimed esthetic improvement

・東京都千代田区 加部歯科医院  加部 聡一 先生
『最小のメンテナンスを目指した審美修復治療 』

・東京都港区 吉樹デンタルクリニック  林 丈裕 先生
『審美領域におけるインプラント修復のマネージメントについて 』

・茨城県常総市 なかた歯科  中田 典光 先生
『下顎臼歯部インプラントをリカバーし、咬合再構成した症例 』

・東京都中央区 エド日本橋歯科  藤田 大樹 先生
『インプラントと天然歯をクロスアーチスプリント行った症例 』

 

-インサービストレーニング- 
 

演題:術後結果から学んだ治療概念と戦略
日本大学客員教授 小濱歯科医院 小濱忠一


インプラント治療の成功は、術前に審美性と機能性を十分に加味した補綴主導型の治療概念を念頭に置き、適切な診査・診断に基づいて治療を遂行することにある。近年では、インプラント治療の臨床的安定性は、基礎・臨床両面からの研究、開発と応用によって飛躍的に向上し、導入初期の目的であった機能性の回復に関しては一定の成功を成し遂げることが可能である。一方、エステティック・ゾーンにおいても、ガイドラインがある程度明確化され、積極的に臨床応用されるに至っている。しかし、インプラント特有のリスクファクターの存在が天然歯修復以上に難易度を高く、複雑にするため、審美的・機能的に好ましくない結果を招く場合が多いのも事実である。加えて、術者サイドの不十分な治療計画が、時として大きな外科的・補綴的トラブルを引き起こしてしまう。すなわち、さまざまなリスクファクターに対応するための最適な外科的・補綴的治療概念と治療戦略を選択・決定することが、治療ゴールの達成には不可欠である。従って、術前の診査・診断とさまざまな臨床的ガイドラインの適切な応用が治療の成否、予知性の確立には欠くことができないといえる。        
そこで、本講演ではまず術後に問題が生じた症例と経過良好な症例の治療経過と術後結果を比較検討し、考慮すべきリスクファクターを解明する。さらに、それらのファクターに対する考察を行い、単独歯欠損および多数歯欠損症例における審美性および機能性の回復・維持のために必要な治療概念とその治療戦略を解説したい。

 
 
 
−ケースプレゼンテーション(仙台合同例会東京代表選考会1)−
 

演題:臼歯部咬合崩壊を伴った慢性歯周炎患者の一症例
よしだ歯科クリニック 吉田拓志

【はじめに】歯周炎の進行に伴い、歯の動揺の増加や欠損が生じると咬合崩壊に至る場合がある。今回、臼歯部咬合崩壊を伴った慢性歯周炎患者に対して、歯周基本治療および歯周組織再生療法を含んだ歯周外科処置を行い、その後、インプラントによる臼歯部咬合支持の確立により、咬合の安定をはかり、メインテナンス後、良好に経過している症例を報告する。
【初診】
患者: 60歳男性 平成19年5月14日初診。主訴: 左上奥歯が痛む。
現病歴: 患者は約1年前より臼歯部の動揺、腫脹と出血、排膿が気になり始めたが放置。1週間前より28の咀嚼痛を認め当院受診。
【診査・検査所見】
全顎的に辺縁歯肉に発赤、腫脹を認め、多数歯に4mm以上のプロービングデプスを認め、X線写真で16,17には根尖付近に至る骨吸収を認めた。上顎前歯部にはファセットおよびフレアーアウトを認めた。
【診断】
広汎型中等度慢性歯周炎 咬合性外傷
【治療計画・経過】
歯周基本治療後,歯周組織再生療法を含む歯周外科、16,17,26,27にインプラント治療および、フレアーアウト改善のための部分矯正治療を施行し,最終補綴終了後メインテナンスを行なった。
【考察・まとめ】
歯周基本治療とエムドゲインによる歯周組織再生療法を行った結果,全顎的に歯周組織の安定を得ることができた。さらに、インプラントによる咬合支持の確立は,残存している支持組織の失われた歯周病罹患歯の保護という観点から有効であると考えられ、今後もメインテナンスを行ないながら注意深く観察していきたい。

 
 

演題:審美的改善を行った上顎両側側切歯欠損症例
A case report of a maxillary lateral incisors loss syndrome that aimed esthetic improvement
デンタルクリニックアレーズ銀座  中村 茂

一概に審美修復治療と言えども、多種多様な治療方法がある。どの治療方法を選択するかは、患者の要求をベースに徹底した診査診断を行い、structure, function, biologyを考慮し治療計画を立案、患者と相談の上決定する。
患者は28歳女性で、上顎両側側切歯が先天的に欠損し、審美障害を訴えていた。診査診断の結果を患者と相談した上で選択した治療方法は、歯列矯正とインプラント修復を併用した審美修復治療であった。初診から約5年経った今現在、臼歯の最終補綴は入ったものの、側切歯インプラント部はティッシュマネージメントのためプロビジョナルレストレーションにて煮詰めている。
今回、機能と調和した審美修復治療を達成するためには、顔貌(骨格)、顎関節、咬合、神経筋機構、歯のポジション、歯冠形態、歯周組織、といった全体から細部への評価が重要であると学んだ。それらの問題点が多ければ多い程、治療方法は複雑化し治療期間も長くなる。今回の患者と全く同じ主訴であったが、問題点が少なかったために、ラミネートベニア修復を用いて短期間で治療を終えたcomparison clinical caseも交えて、この治療方法を選択した考察と治療経過を報告したい。

 
 

演題:最小のメンテナンスを目指した審美修復治療
加部歯科医院 加部聡一

山ア先生が著書「エステティック クラシフィケーションズ」で示すように、審美修復治療として最高の結果を導くためには、様々なガイドラインにそって、診断と治療計画そして治療ゴールをいかに的確に判断し、立案し、遂行するかが一番重要であると考えている。
また、支台歯、口腔内全体に対して最小の侵襲で最大の効果を得るminimal interventionという概念が審美修復治療には最も必要であろう。
本症例では、患者の要求を満たす為、上顎6前歯をBPRsにて修復処置した。前医にて矯正治療、コンポジットレジン修復をされ、またクレンチングの習癖もあり、制限のあるなかでの再治療となったが、診査、診断、治療計画の立案、診断用ワックスアップ、モックアップ等を用いて最善の補綴設計を探った。治療ステップごとに再評価を繰り返し、進めたが、とりわけ術後メンテナンスしやすい治療となるよう心がけた。
術後4年のスライドをみながら、改めて皆様に治療計画、補綴設計、治療手技についての、御批判、御意見を頂戴し、明日からの臨床に役立たせていただきたい。

 
 

演題:審美領域におけるインプラント修復のマネージメントについて
吉樹デンタルクリニック  林 丈裕

上顎前歯部など審美領域における理想的なインプラントを埋入するにあたっては、以下のことを考慮しなければならない。 
全体的な評価として、患者のスマイルを含む顔貌からはじめ、口唇の自然な位置を記録し、そこから、瞳孔線、正中の基準線を元に、切端の位置、切端ライン、切端の見え方、歯牙の形態、歯冠長幅径比、色調、歯列においての対称性(叢生など)、歯肉レベル、歯肉の見え方(ガミースマイル)などを精査し、歯肉のバイオタイプ、歯槽骨頂部の解剖学的形態、隣在歯の周囲組織の環境を含め、外科的、補綴的、矯正的に対応できるか治療計画を立案していくことが必要である。
今回、上顎前歯部に審美的・機能的問題を有している患者の審美的なスマイルの回復に対し、包括的治療計画を基にインプラントにて対応した症例をとおして考察していきたい。

 
 

演題:下顎臼歯部インプラントをリカバーし、咬合再構成した症例
なかた歯科  中田 典光


昭和の末期から、確定的なエビナンスがないまま各種インプラントが市場に出回り、様々なインプラント治療が行われてきた。現在インプラント治療は、ブローネマルクタイプのインプラントをベースとして、ある程度の長期性と補綴要件も満たす事ができるようになり、欠損補綴ではなくてはならない治療オプションとなった。
市民権を得たインプラント治療ではあるが審美領域においては、患者サイドの組織の条件、術者サイドの知識、技術により結果が大きく左右されることも否めない。
今回、下顎臼歯部において過去のインプラントであるブレードタイプインプラントを除去し、オープンバリアメンブレンを用いたGBRを行い、インプラント埋入を行った。上顎が天然歯という条件もあり、私なりに考慮し、また苦慮しながら治療を進めてきた。この症例を通じインプラントの効果や、その背景にある補綴要件の難解さと予測性、歯列の保持、咬合平面の是正等、私なりの考察を加えたので、ここに報告提示する

 
 
演題:インプラントと天然歯をクロスアーチスプリント行った症例
エド日本橋歯科  藤田 大樹

今回報告する症例は、上顎左右臼歯部が欠損、上顎6前歯が唇側傾斜と延出、歯槽骨の水平的骨吸収した歯列に対して、左右臼歯部にインプラントを埋入。それを固定源に上顎6前歯を矯正治療。最終補綴は左右臼歯部のインプラントと上顎6前歯をkew&kewwayにてクロスアーチスプリントを行い、インプラントにスプリントとしてのアンカーの役割を与えた症例です。歯根膜のある天然歯と歯根膜のないインプラントは通常、被圧変位量の違いから連結しません。しかし、今回は歯列弓の保全とアンテリアガイダンスの確立から、積極的に連結しました。
術後14ヶ月と短い予後でありますが、術後の経過も報告して治療計画は正しかったのか、治療方法の選択は正しかったのか、最終補綴物の製作には問題がなかったのか、など自身の考察を述べ、皆様とディスカッションをしていきたいと考えています。

 
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