歯科スタディーグループ東京SJCD

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2011年2月3日に、六本木の国際文化会館にて第2回ステップアップミーティングが開催されたので、ご報告致します。
今回は、ステップアップ委員である高島、田中も参加させて頂くことになりました。

 
左から、李先生、田中、小平先生、高島
 

ホワイトニングを有効的に取り入れた症例:田中鈴香
重度歯周病患者に対し禁煙に成功。炎症のコントロールを行い、主訴である歯の白さはホワイトニングを有効的に使用し、審美的に患者様の満足を与えられた結果となり、先生の思いが伝わってくるすばらしい症例でした。
ディスカッションでは術後2年後の前歯部歯肉の炎症の原因について討論されました。術者はプラークコントロール不良によるものと判断していましたが、補綴物のカウンターの形状及び支台歯の形成量の問題も指摘がありました。プロビジョナルの期間が結果的に短く、評価が適切に行えなかったのではと思われました。フレーアウトを矯正なしで補綴修復しているため咬合による歯肉の炎症も考えられました。今後の経過観察が重要であり、再度ご自身で再評価しご報告していただければと思いました。

ステップアップ委員 小島将司
 

重度歯周病患者にインプラントを用いたアプローチと問題点:李昌弘先生
患者さんは、上下顎大臼歯部・上顎前歯部は骨吸収が著しく、その機能を失っていた。バーティカルストップ・アンテリアガイダンスを回復するためインプラントを用いた。本症例は不確定要素が多く、補綴設計や咬合のバランスを一度に決定することは困難であり、再評価を繰り返し行いながら、治療プランを患者さんと確認する必要があると述べていた。口腔内を見るだけでなく、人をみて診療されているのだなと、患者さんとの良好な関係が窺えた。初診からメインテナンスまで一貫して、歯周組織の状態を把握し、治療の予後を考えている姿勢に好感が持てた。バーティカルストップ・アンテリアガイダンスの機能を獲得し、難度の高いCaseをまとめあげていた。
会場からの質問は、上顎洞粘膜挙上手術に関して。上顎洞粘膜の厚みや状況、骨の高さを考えることのフレンドリーアドバイスがあった。さらに高いレベルに李先生がステップアップするための有意義なものとなったと思われた。

ステップアップ委員 西山 英史
 

ゴシックアーチトレーサーによる咬合採得の優位性:小平雅彦先生
今回この発表は、上下総義歯のケースを通してデンチャー製作の工程を2つの方法を用いて、システマチックに行うというラボサイドからの提言であった。 印象採得、ゴシックアーチトレーシング、咬合採得、フェイスボートランスファーを1回の来院で行う所がとても合理的に思えた。
BPS法がヨーロッパをはじめアメリカの23校の大学で取り入れられてきている方法だということが納得できる。特に、中心位採得をゴシックアーチトレーサーにより採得するというところにおいては、術者の違いによるばらつきを軽減できるように思われる。また、トータルに見ても義歯の経験の浅い歯科医師でも工程を確実に行えば、吸着する義歯を患者に提供できるであろう。さらに湾曲板やデンチャースペースを使用した排列などでは、義歯だけに限らず、診断用ワックスアップやフルマウスのケース、インプラントオーバーデンチャーにも有効である。
この2つの方法を使用することにより、欠損補綴において、補綴の選択肢が広がるであろう。

ステップアップ委員 松尾幸一
 

咬合回復を目指して。SJCDフローチャートに沿った治療の流れ :高島浩二
冒頭にSJCDフローチャートに沿って治療をすすめることで、ゴールを見据え治療を始める重要性をおっしゃられていました。症例は、76歳男性、高血圧・狭心症の病歴。う蝕、歯周病、欠損、咬合平面の乱れと複雑な問題点が混在する中、上手に整理され、治療計画を立てていました。実際の治療では、上顎Cr-Br&インプラント補綴、下顎インプラントオーバーデンチャーをすすめるにあたり、ステップごとに丁寧な治療をなさっておりました。術後2年の経過でも問題がないということが、治療の妥当性を示していると感じました。質疑応答では、上顎のインプラント手術についてスプリットクレストテクニックやGBRについての考え方、診断用ワックスアップの基準についてなど、良いディスカッションポイントがあり私も含め会場も勉強になったと思います。最後に卒後2年目でこの様な治療を行うことができる高島先生のスキルは素晴らしいと感激しました。

ステップアップ委員 加部聡一
 

今回は、寒い中、多くの先生方にご参加して頂き、ありがとうございました。

今回、ご都合が付かなかった会員の先生方も、次回の2011年9月のステップアップミーティングにご参加頂ければ幸いです。

 
 
前回のステップアップミーティングの様子はこちら
東京都渋谷区渋谷2-1-12東京セントラル宮益坂上4F
TEL/FAX:03-3400-3482